Boulevard de la Croisette
カンヌの町がある地中海に面した海岸地域を、コート・ダズュール(Côte d'Azur)という。
「コート・ダズュール」と聞いて、その地域のことではなく、真っ先に、某カラオケ店を思い起こされる方もいるだろう。
いつのことだったか・・・私は、コート・ダジュールという名のカラオケ店が初めて街に現れたとき、正直 戸惑った。
コート・ダズュール は、南フランスの風光明媚なリゾート地。
当時、フランスやイタリアが好きな私のような者たちの、憧れの地の一つでもあった。
そんな憧れの地の名を冠した建物が、突如 身近にできてしまったのだ。しかも、我々庶民が集う、カラオケ店ときた。
一般に抱かれているコート・ダズュールのイメージは、ちょっと手が届きにくそうな高級感あふれる保養地。
イタリアのリグーリア地方と併せ、リビエラ海岸とも言われている。
森進一さんのヒット曲「冬の~リビエラ~♪」の、あのリビエラ海岸だ。
あ・・・つい、歌ってしまった。。。カラオケ店「コート・ダジュール」の影響か。。。
そんなわけで、今はその名称にもすっかり馴染んでおり、異存はない。
セレブリティな旧港東岸
カンヌは国際映画祭が開かれる場所としてあまりにも有名である。
華やかなイメージのとおり、海岸沿いのクロワゼット大通り(Boulevard de la Croisette)沿いを中心に、高級ホテルが並ぶ。(冒頭写真参照)
また、パルム・ドール(Palme d'Or)など、映画祭の賞の名になっている「パルム」(シュロ)の葉の絵が、路上に大きく描かれていたりするのを目にすると、世界が注目するセレブリティな街にいることを実感する。
Le Vieux Port
映画際のメイン会場となっている建物、パレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレ(Palais des Festivals et des Congrès)のすぐ裏に旧港がある。
湾状になったその港の東岸に、大きく豪華なクルーザーが何艘も停泊している。
岸から眺めるだけでも、それらがまるで高級マンションのような造りになっているのが見てとれる。
いったい何階建てなのか、部屋がいくつもあると思われる大きなクルーザー。
デッキの真ん中に、高そうなソファーとテーブルが置かれ、そこがリビングルームのようになっている船。
大きなベッドや、映画のスクリーンのようなシステムが見えるもの。
プール付きの豪華絢爛な大型船。
・・・などなど、どれもこれもピッカピカのテッカテカである。
いったいどういう人が持ち主なの? もしかして、どこかの国の王様とか。。。
一方、旧港の北側から西側にかけて、旧市街が広がっている。
こちらは、新市街と打って変わって、庶民的な界隈。
入り組んだ路地に、カフェやレストラン、ブティックが並んでいる。よくある町の風景だ。
旧港も、旧市街に近い西岸や北岸には、豪華なクルーザーはいない。
漁師さん用のボートや普通のヨットが並んでいて、なんだかちょっと、ホッとする。