Rue du Port
今回も、フランス本土の真ん中あたり、クレルモン=フェランでのお話しです。
旧市街の北東にあるドゥリル広場(Place Delille)から 市庁舎へと、 西に向かって ポール通り(Rue du Port)という名の
それほど幅の広くない道が伸びている。
車道と歩道を上手く分け、ほぼ直線でありながら 車道部分をちょっとだけうねらせるなど、洒落た仕掛けがしてある趣ある通り。
両側に古い建物が並び、様々な商店が、町の散策を楽しませてくれる。
通りのすぐ北側には、サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路(Chemins de Saint-Jacques-de-Compostelle)の一部として世界遺産登録されている
ロマネスク様式の美しいノートルダム・デュ・ポール聖堂(Basilique Notre-Dame-du-Port)がある。
おそらく、通り名のポール(Port)は ここからきているのだろう。
Basilique Notre-Dame-du-Port
道路の 歩道と車道の境目には、よくあるポールが立てられ 並んでている。
車両が歩道に突っ込んで来ないよう、歩行者をガードしているアレだ。
ポールは、チェスの駒の、名前がわからないのだが、将棋で言うところの「歩」にあたるヤツのような形状をしている。
そんな地味なポールが、ある日突然、カラフルな芸術作品となった。(冒頭写真)
見ようによってはイタズラなのだが、一本一本の頭部に、赤、青、黄、オレンジ、紫、緑などのペンキが垂らされ、アートと化している。
次に 下の写真をご覧いただきたい。
実は前日まで、何の趣向も凝らされていない、普通の車両ガード・ポールだったのだ。色など どこにもついていない。
(※2014年春の出来事です。)
「Rue du Port」の ポールにペンキはかけられていない。(冒頭写真撮影日の前日に撮影)
アートか、イタズラか。 寛容か、いい加減か。
確かにコチラの国では、道路標識にもイタズラのようなアートを施したものを目にすることがある。
とても面白く感じるのだが、これらの試みは、日本では完全にOUT! NGだろう。
器物損壊とか、道路交通法違反とか、きっと そういうのになってしまう。
実際問題、コチラの国でで これらが公的に許されているのか、本当はダメなのに見て見ぬふりをされているのかは分からないが、ただの無茶苦茶な落書きではなく、ちょっぴり洒落ていて、見て面白いのは確か。
標識を使ったものの中には「なるほど~」と、妙に感心させられるものさえある。
その国や地域が持つ「寛容さ」なのか「いい加減さ」なのか・・・。
はたまた こういうことの許される環境が「好いコト」なのか「悪いコト」なのかは、簡単には語れない。
左上の写真は、黄色いシャツを着て疾走する人たちを、黄色ペンキの垂らされたポールと共に撮影した写真。
その後、赤いポールの横を、赤いシャツの集団も駆け抜けてゆく。
面白いモノが好きな性分もあり、私としては思わずイタズラアートに乗っかってしまい撮影した感があるが、走っている皆さんは真剣そのもの。
両集団とも、おそらく、消防士さんたちがトレーニングをしているのではないかと思うのだが、確かではない。