イタリア北東部の聖地「パドヴァ」で人気の屋台「La Folperia」  【イタリア旅】

Piazza del Frutti

 

前回ネタの続き、数年前にパドヴァの町へ訪れた際の記録です。

 

広場の一角に人だかり


ヴェネツィア・マルコ・ポーロ空港(Aeroporto Marco Polo di Venezia)に到着した妻を車で迎えに行き、その後、パドヴァに入った。

日はもう傾き始めている。
まずは町の中心へ、と「ラジョーネ宮(Palazzo della Ragione)」の辺りを歩いていると、フルッティ広場の片隅に人だかりがある。
そこには「La Folperia」という名の屋台が出ており、海産物や野菜を中心とした総菜が並べられていた。

中でも目立ったのは茹でたタコ。
注文が入ると、店主は寸胴みたいな大きな鍋の蓋を開け、中から成人男性の拳くらいの大きさのタコを一匹つまみ上げる。そして、まな板の上に載せてザクザク切る。それを皿に盛りつけ、ハーブやオリーブオイルなどで作ったソースをトロリとかけて客に渡す。

注文がどんどん入るので、目の前で、ひっきりなしにタコがぶった切られる。
見た目は、ちょっぴりグロテスク。

タッパーに入れて持ち帰る客もいるが、ほとんどの客は広場で食べている。
広場でといっても、地べたに座ってというわけではなく、近くのバールが出しているテーブルと椅子を使って食事をしているのだ。

「え? それってありなの?」
別の店で買った総菜を、そこで食べて叱られないのか心配になるが、そこはさすがイタリア、固いことは言わない。

バールの店員も、自分のところのテーブルに座った客がいれば、通常通り注文をとりに行く。
お客は、もちろん飲み物やスナックをそこでも注文する。
どうやら、それでOKということのようだ。

私も真似をして、茹でダコと、小魚のフライにくたくたの野菜が添えられた総菜を屋台で購入し、皿を持って近くのバールのテーブルに座った。

そして、やって来た店員にスプリッツ(アペロール、プロセッコ、炭酸水などを混ぜ合わせたオレンジ色のドリンク)とランブルスコ(天然微発砲ワイン)を注文し、淡い夕日を浴びながら、妻との久々の晩餐を始めることにした。

 

 

 

2021年08月03日