塔が立ち並ぶトスカーナの田舎町「サン・ジミニャーノ」で中世に思いを馳せる。 【イタリア旅】

San-Gimignano/Toscana/ITALIA

 

真っすぐ進む それもOK
ちょいと寄り道 それもOK

 


サン・ジミニャーノは 塔の町 として有名だ。
町を遠景で眺めると、一番高いグロッサの塔(Torre Grossa)を中心に、10数本の塔がニョキニョキ建っているのが見られる。(下部写真参照)

そして、この遠景こそが、サン・ジミニャーノらしさの 象徴と言える。
観光案内や、お土産、色々な所に使われているマークなど、様々な場所に この「町の遠景」を象ったデザインが使われている。

ご存じかもしれないが、イタリアには 塔のある町がたくさんある。
そして、これらの塔はその昔、もっともっとたくさん建っていたらしいのだ。

例えばフィレンツェ(Firenze)では13世紀ころまで、およそ160本の塔が建っていたという。
しかし、21世紀となった今、ミケランジェロの丘(Piazzale Michelangelo)などからフィレンツェの景色を眺めても、町全体を写した写真などを見てみても、それほどの数は見当たらない。

もともと塔は、財力や権力を誇示するために建てられていた。
時代が移り、その必要がなくなったことや、老朽化で危険が伴うことなど、様々な事情で、壊されていったのだろう。

小さな町であるサン・ジミニャーノには、当時、72本の塔があったらしい。
しかし、やはりそのほとんどが現存していない。

それでも、72本のうちの14本が残っており、他の町に比べれば現存率が高く、これが現代において「塔の町」と言われる所以なのだ。

 

サン・ジミニャーノ遠景

 

中世の頃の繁栄を想像しながら歩く

塔の現存率が高いと言ったが、計算してみると、1割9分4厘。
野球の打者としては失格になる率である。

逆に言えば、中世と言われる時代、この小さな町に現在の5倍以上の塔があったことになる。

写真を観ながら、そこにある塔のシルエットを、5倍+αにして重ねてイメージしていただきたい。

スゴイ・・・が、異様でもある。

その様子は「中世のマンハッタン」とも言われると、いろいろなところで目にするが、
だとすれば、その繁栄ぶりは凄まじかったのだろうと、街を散策しながら、その昔に思いを馳せてみるのも一興だ。

町はそれほど大きくはない。
したがって、見どころもそれほど多くはない。

代表的な塔である「グロッサの塔」に登り、車などの運転の必要がなければ 名物の白ワインをエノテカなどで楽しむ。
そして、私は行ったことはないが、とても美味しいジェラテリアもあると聞く。

あとは ブラブラ歩いてみるのが 好いのではないかと思う。
街はどこも美しい。ガイドブックなどに紹介されていない、自分だけの素敵な光景に出会うかもしれないから。。。(頁Top写真参照)

 


2020年10月19日